その6・京都会議と温暖化問題


 

 

温暖化防止のために・温室効果ガス排出削減計画

 

 

取り上げた記事:

1. 10月2日 読売:90年水準より5%削減/日本目標値固める

2. 10月5日 読売:CO2削減日本案に豪が難色/経済に悪影響出る

3. 10月6日 読売:途上国も将来規制/京都会議で明文化

4. 10月6日 読売(夕):各国別に弾力運用/EU反発必至

 

 

記事の概要:

地球の温暖化につながるといわれるCO2(二酸化炭素)をはじめとした温室効果ガスの排出削減の計画が先進国を中心に次々に決定されている。しかし、NGO(非政府組織)などからは「基準が甘すぎる」などとの反発もあり、規制案が可決された後も実行までには多くの時間を費やそうとしている。日本でも独自の案で「日本案」としているが削減幅を圧縮された弾力的運用が組み込まれているとの評価も出ており環境NGOなどは「ふまじめな提案」と強い反発もおこっている。

12月の地球温暖化防止京都会議に向け、日・米・豪などが参加しアメリカ・ハワイのホノルルで開かれていたアジア・太平洋先進5カ国非公式大臣会合が10月3〜4日開かれた。会合では、発展途上国にも将来的に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出規制を課すことを京都会議で打ち出すことが必要との認識で一致した。

日本案は二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の3種のガスを削減目標とし、1990年に比べてマイナス5%としているが、これではまったくの削減にならない。日本の90年における3種ガスの総排出量は3億4000万トン(炭素換算)5%削減なら1700万トン削減し、3億2300万トンまで抑え込まなければならないが、弾力的運用を適用すると、日本は実質0.5%の削減になってしまい、わずか200万トンの削減をするだけになってしまう。

 

 

考察:

地球環境の再認識が叫ばれる今日。地球の温暖化の要因でもある二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスは、早いうちに全廃するくらいの意気込みが必要であるだろう。しかし日本など先進国がたった「5%削減」といっている状況では、途上国に「排出規制をしなさい」と言える立場にはいないだろう。日本案はあまりに簡単に実現可能な数値にとどまっている。現在の日本にそのような事はできるべくもないだろうが、あまりに合理性がなさすぎるのではないだろうか。

実現可能な数値なのに日本は経済を最優先させていて、それは他の国に対するまったくの「戦略」であるような気がしてならない。しかし、5%の削減でさえ地球の将来は変わらないはずである。数値的に見て、たとえ3億4000万トンを5%削減したとしてもまだ3億2300万トン残っているのである。少なくても2億万トン代にしない限り環境の変化は現れないだろうかと思う。

経済を大いに優先させる日本政府。ただでも削減率の低い5%を弾力的運用という一種の逃げ道を導き出し、最大0.5%の削減でも構わないとする日本政府に、国民の一人として深く尊敬してしまう。そんな事をしていて温室効果ガスが減るわけないことを誰よりも知っているのは、5%案を更に減らそうと苦悩する日本政府の関係者かもしれない。

 

 

参考記事:特になし







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